シモーヌ・ブラム(ドイツ)が世界チャンピオン戴冠! 女性ライダーとして大会史上初の個人金メダルを獲得/FEI世界馬術選手権大会2018

世界選手権・大陸選手権

[FEI世界馬術選手権大会2018/FEI World Equestrian Games2018]

現地時間23日、FEI世界馬術選手権大会2018(開催地:アメリカ/ノースカロライナ州トライオン)障害馬術競技の個人戦決勝(標準障害飛越競技/165cm)が行われ、シモーヌ・ブラム(ドイツ)&DSPアリス号が個人金メダルを獲得。個人銀メダルはマーティン・フックス(スイス)&クルーニー51号、個人銅メダルはスティーヴ・ゲルダ(スイス)&ビアンカ号となった。

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ラウンドA

予選を通過した25人馬が出場したラウンドAでは、首位通過のシモーヌ・ブラム(ドイツ)&DSPアリス号と3位通過のマーティン・フックス(スイス)&クルーニー51号がクリアラウンド(減点0で走行を終えること)。2位通過のマックス・クーナー(オーストリア)&シャルドネ号も規定タイムオーバーの減点1のみでフィニッシュ。ブラムが総減点2.47の首位、クーナーが総減点3.97の2位、フックスが総減点4.68の3位をそれぞれキープする。

4位通過のロレンゾ・デ・ルカ(イタリア)&イレニース・ホルタ号、5位通過のマクレーン・ウォード(アメリカ)&クリンタ号はいずれも1落下の減点4でフィニッシュとなり、デ・ルカが総減点9.19の5位、ウォードが総減点10.08の7位へ後退。代わって、9位通過のスティーヴ・ゲルダ(スイス)&ビアンカ号、17位通過のローラ・クラウト(アメリカ)&ゼレモニー号がクリアラウンドし、総減点8.00のゲルダが4位、総減点9.87のクラウトが6位へ浮上した。

以下、総減点11.81のカルロス・エンリケ・ロペス・リザラゾ(コロンビア)&アドマラ2号が8位、総減点12.23のフレデリック・ジョンソン(スウェーデン)&コールド・プレイ号が9位、総減点12.31のローワン・ウィリス(オーストラリア)&ブルー・ムービー号が10位、総減点12.38のアレクシス・デルーベ(フランス)&ティモン・ドゥオー号が11位、総減点14.26のエイドリアン・スターンリット(アメリカ)&クリスタルライン号が12位となり、ここまでがラウンドBへ駒を進めることとなった。

なお、カレン・ポーリー(木下グループ)&ウィズ・ウイングス号は減点9でのフィニッシュとなり、総減点20.77の21位でラウンドB進出はならず。また、世界ランク1位のハリー・スモルダーズ(オランダ)&ドンVHP Z号は23位、同ランク3位のマーカス・アーニング(ドイツ)&プレット・ア・トゥート号は15位、同ランク7位のペダー・フレデリクソン(スウェーデン)&H&MクリスチャンK号は19位でいずれもラウンドAでの敗退が決まった。

ラウンドB

大会のフィナーレを飾るラウンドBでは、トップバッターのエイドリアン・スターンリット(アメリカ)&クリスタルライン号が減点6、2番目のアレクシス・デルーベ(フランス)&ティモン・ドゥオー号が減点5、3番目のローワン・ウィリス(オーストラリア)&ブルー・ムービー号が減点8、4番目のフレデリック・ジョンソン(スウェーデン)&コールド・プレイ号が減点5でのフィニッシュとなり、メダル争いからはほぼ脱落する。

一方、5番目のカルロス・エンリケ・ロペス・リザラゾ(コロンビア)&アドマラ2号、6番目のマクレーン・ウォード(アメリカ)&クリンタ号はいずれも規定タイムオーバーの減点1のみで走行を終え、ロペス・リザラゾが総減点12.81、ウォードが総減点11.08でメダル獲得へ望みをつなぐ。

すると、7番目のローラ・クラウト(アメリカ)&ゼレモニー号は減点9、8番目のロレンゾ・デ・ルカ(イタリア)&イレニース・ホルタ号は減点5でフィニッシュ。クラウトが総減点18.87、デ・ルカが総減点14.19となり、こちらは厳しい状況に。

そして、残り4人馬となったところで、9番目のスティーヴ・ゲルダ(スイス)&ビアンカ号が会心の走行でクリアラウンド。総減点8.00をキープして、後続の人馬にプレッシャーをかける。しかし、10番目のマーティン・フックス(スイス)&クルーニー51号は規定タイムオーバーの減点2のみでフィニッシュし、総減点6.68でメダルを確定させる。

11番目のマックス・クーナー(オーストリア)&シャルドネ号もこの流れに続きたいところだったが、こちらは2落下にタイムオーバーも加わり減点9でフィニッシュ。総減点12.97でメダル圏外へ後退してしまう。
この時点でフックスの銀メダル以上、ゲルダの銅メダル以上も確定し、いよいよ最終12番目のシモーヌ・ブラム(ドイツ)&DSPアリス号がアリーナへ。

ここまでのブラムの総減点は2.47。金メダル獲得のためには、1つのバーも落とすことは許されない。そんな重圧のかかる場面でも笑顔でスタートを切ったブラムは、全幅の信頼を寄せる愛馬と共に力強くコースを駆け抜け、見事にノーミスでフィニッシュ。規定タイムオーバーによる減点1はあったものの、総減点3.47で見事に世界チャンピオン戴冠をはたした。

現在の世界ランキング142位のブラムは嬉しいメジャータイトル(オリンピック、世界・大陸選手権、ワールドカップ・ファイナル)初制覇。大会史上初めて女性ライダーとして個人金メダルを獲得し、障害馬術競技の歴史にその名を刻んだ。

PHOTO:©FEI