【特別企画】名馬の蹄跡 ライフ・イズ・ビューティフル号(那須トレーニングファーム) 中編

国内障害馬術競技会

快進撃

2018年4月、ライフ・イズ・ビューティフル号は思乃とのコンビで大阪グランプリ スプリング大会(日本馬術連盟公認4*競技会)に出場し、大会の二大メイン競技とも言える大阪グランプリ(中障害A)とFEIジャンピング・ワールドカップ・大阪大会Ⅰ(大障害A)のダブル優勝を達成。この快挙を皮切りに怒涛の快進撃が始まった。

6月の那須グランドホースショー(日本馬術連盟公認4*競技会)でFEIジャンピング・ワールドカップ・那須大会(大障害A)2位、9月のフジホースショー・オータムグランプリ(日本馬術連盟公認4*競技会)でFEIジャンピング・ワールドカップ・富士大会(大障害A)優勝、10月の大阪グランプリ ファイナル大会(日本馬術連盟公認4*競技会)でFEIジャンピング・ワールドカップ・大阪大会Ⅱ(大障害A)優勝など、ビッグイベントで次々と好成績を上げていく。

FEIジャンピング・ワールドカップは、国際馬術連盟(FEI)が主催する国際障害馬術競技会のシリーズ戦。ヨーロッパ・北米・中東・日本など、世界各地域で1シーズンを通して予選が行われ、予選で上位の成績を収めた選手が、2019年4月に開催されるFEIジャンピング・ワールドカップ・ファイナルの出場権を獲得する。日本予選は国内最高カテゴリーである日本馬術連盟公認4*競技会と併催という形式で、2018年は全6戦を実施。いずれの大会も国内のトップライダーとトップホースが多数参戦し、全日本や国体に並ぶハイレベルな争いが展開されていた。そのワールドカップを4戦し、優勝3回、2位1回というのは、驚異的な成績だった。

「私はずっと緊張しっぱなしでした。競技前はいつも会場の隅っこで吐き気と戦っていましたから(笑)。でも、ブチ君は試合を重ねるたびに自信を付けていって、堂々と気持ちよく飛んでいましたね。だから、私はブチ君のリズムを崩さないよう、呼吸を合わせることに集中していました。ブチ君に乗るときは、いつも『イチ・ニー・サンッ ハイッ!!』って声が出てしまうのですが、そうやって掛け声をすると良いジャンプをしてくれるので、いつも必死に数えていたんです(笑)」(思乃)

そして11月、押しも押されぬ優勝候補の一角として、全日本障害馬術大会 PartⅠに参戦。思乃とのコンビで16人馬がエントリーした大障害Aに出場する。予選では有り余る元気とやる気が空回りして、初日のスピード&ハンディネス競技10位、2日目の標準障害飛越競技12位と出遅れたものの、無事予選を通過し、全日本障害飛越選手権(大障害A決勝)に進出。

選手権3連覇がかかる福島大輔&グラムアー号(STAR HORSES)、国際馬術掛川(CSI2*Kakegawa ※当時、国内唯一の国際競技会)でグランプリを勝った小牧加矢太&ガルーファンデスケンメルスベルグ号(北総乗馬クラブ)、FEIジャンピング・ワールドカップ・那須大会優勝、千葉大会・富士大会・大阪大会Ⅱ2位の小池啓補&ノスコデブロンデル号(守谷乗馬クラブ)、予選2競技を連勝した川口雅美&サムライブルー号(ライディングクラブフジファーム)、前年の大障害B決勝を勝った渡辺祐香&ロイヤルズサン号(つま恋乗馬倶楽部)など、いずれ劣らぬ強力な顔ぶれが揃う中、日本一の座をかけた大一番に挑むことになった。

全日本障害飛越選手権2018出場時